今週の月曜に2年前からサシバとハチクマを観察している里山に行ってきました。
サシバは遠くはフィリピンやインドネシアなどで越冬するようですが、少数は八重山諸島や奄美群島で越冬しています。
奄美諸島の11羽のサシバにはGPSが着けられており、移動時期やルートを公益財団法人日本鳥類保護連盟が調査しています。
その中の1羽が3月21日に渡りを始めたらしいので行ってみたのです。
ここに来るサシバにGPSは着いていないようですが、私はここのサシバは八重山諸島や奄美群島で越冬しているのでは?と思っています。
自分の撮った写真を見ると、去年は4月25日に帰って来たのを確認したようです。
現地の着き食事を済ませて撮影の準備をしていると、サシバを通じて知り合った地元の方が通りかかりました。
まだ見掛けてないとのこと。
この日は居るか居ないか分からないので、この辺を歩き回ろうと思い小さいカメラ(望遠の倍率だけはメインカメラより上)を持って駐車場を出ました。
ポイントに行くと田起こし前の田んぼをツバメが飛び回っていました。
給餌と巣作りの為の泥や骨材を運んでいるところです。
しばらく観察して泥集めの場所を特定できたのでそこで待っていると、泥を集める合間に交尾していました。
電線などで交尾をするのを見たことありますが、巣材集め中にもしていたのですね。
ツバメを撮影中に少し大きな個体がいるのに気付いて撮ってみると、アマツバメでした。
アマツバメは山の岩肌や岸壁のような場所で営巣するので、営巣地への移動の最中だと思います。
ダイサギもやってきました。
田んぼでは冬眠から目覚めたアマガエルが泣いているので、狙っているようです。
このダイサギ目元がグリーンになっていますが、これは婚姻色で通常は黄色です。
繁殖期になり婚活を始めるとこのような色になります。
他にはハシブトガラスやキセキレイ、スズメ、カワラヒワなどがいました。
8時近くになって、田んぼを挟んで85メートル先の木に何かがとまったような気配が。
一枚撮って拡大してみるとサシバでした。
この木から何度か下に降りて餌を食べています。
間違いなくサシバですね。
違う木に移って動かなくなったので、駐車場に戻りメインカメラに替えました。
おぉ!美しい。カッコイイ。
この後電柱にとまりましたが、戻ってきてそれほど経っていないだろうからと近寄らず100メートルほどの所から撮影しましたが、すぐにまた飛びました。
飛んだ方向を見ると梢のてっぺんにもう一羽のサシバが。この時点では裸眼で見ているのでサシバかノスリ(この辺では留鳥)のどちらかだと思いました。
ですが・・・・・
!?交尾??
なんとなんと交尾です。ということはメス?
拡大していますがやはり100メートル以上の距離がある撮影で、裸眼では何してるかさえわかりません。
思わず「ョシャー!!」と声が出てしまいました。
人っ子一人いない田んぼの真ん中で良かった。街中なら怪訝な目で見られて通報ものです笑
観察していると、
求愛給餌をしています。
当然ですがサシバの交尾も求愛給餌も初めて見るので興奮が止まりません笑
2羽をしばらく観察して、
左の風切り羽根に欠損があるのがメスだと分かりました。
こちらがオスです。今のところ目立った欠損はありません。
繁殖を観察する時に雌雄を判別することは大切で、交尾にしろ求愛給餌にしろメスから行くことはほとんどなく、「オスがメスの所に行ってする」のが基本です。
なのでメスに注目していた方がいい場面を見ることが出来ます。
昼過ぎまで観察していて、交尾1回と複数回の求愛給餌を観察できました。
次の日予定があったのですがキャンセルしてサシバ観察に笑
この日はまずメスが山から出てきて桜の前を飛んでくれました。
だいぶ散っていて葉も目立ちますが。
そしてそのまま電柱へ。
直後にオスも隣の電柱に飛んできて、しばらく羽繕いをしたのちに・・・
交尾。
起き抜けに愛し合うとは・・・・・笑
オスは一度元いた電柱に戻りますが数分後・・・・・
交尾。
同じ写真に見えますが、一度目の交尾の後に私は少し動いたので若干画角が違います笑
その後メスが移動しました。
昨日求愛給餌をしていた場所です。
前日にそこを撮影する最適な場所を探しておいたので、私もそこへ。
サシバまで50メートルぐらいなので結構ちかいです。
ですが私自身が電柱に隠れるように撮影しているのでここにいることを許してくれています。
こちらがメスです。
サシバの場合眉班が目立つのがメスです。
どうやらここはメスのお気に入りの狩場のようです。
3本ある電柱を移動しながら下に降りて、バッタを獲っています。
しばらくするとオスもやってきました。
電柱のてっぺんにオスが来ました。
昨日なんどもここで求愛給餌をしているので、撮影できそうです。
って交尾か~い!笑
メスがしっかりと尾羽を上げ、オスは尾羽を下げ総排出腔が触れ合っているように見えるのでちゃんと交尾できているようです。
オスがメスに乗っていても、総排出腔が触れ合っていなければ交尾になりません。
その後も・・・・・
また交尾か~い!笑
君ねぇプレゼントも無しに(エサ)やることだけやるなんて男として最低だぞ笑
ですが私が見た最後の交尾ではよく見るとメスが何か昆虫の様なものを咥えています。
交尾前に狩りはしていないので、オスが交尾しながら渡したようです。
オスくん批判してすまんかった笑
今まで数種の野鳥の交尾を見てきましたが、交尾と同時に求愛給餌をするのは初めて見ました。
結局この日は午前だけで5回の交尾をしました。
求愛給餌、交尾と繁殖をしているようなのですが一つ懸念があって、それは巣材運びを見ていないということです。
私は午前しか観察しないので、午後や夕方に巣材運びをしているのかもしれませんが。
他の野鳥の例だと、巣が出来ているか完成に近づくと交尾を始めるイメージなので・・・
心配になって調べてみると、サシバは渡来直後から営巣、繁殖準備を始めるらしいのでもしかしたらすでに巣は完成しているかもしれません。
ここでサシバの観察を始めて3年目。
一昨年去年は繁殖はしていません。
今年は幼鳥を見ることが出来るかも。
今年のサシバの観察はより一層慎重にしていきたいと思います。
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