いろいろと検討した結果、私が発見した巣は外敵に襲われて捕食されたようです。
もし巣立っていたら巣の近くの低木や藪の中にいて、親が餌を運ぶはずなのですが、それがありませんでした。
サンコウチョウは、カラスや猛禽類、ヘビなどが近寄らないように、遊歩道や登山道そばで営巣することが多いです。
やはり人がまるで行かない場所なので捕食される確率が上がるようです。
私が見つけた巣よりも遅く営巣を始めた巣は、遊歩道の脇のスギの木にあるので、先日無事に雛たちが全羽巣立ちました。
今回の撮影は超有名ポイントの遊歩道なので人が多数集まっていたので、撮影場所を探すのに苦労しました。
なるべく巣と同じ高さで、サンコウチョウから隠れられる場所(あまり警戒心は強くないが、自分の前に布一枚あるだけで距離が縮まる)を見付けました。
しかし、木の陰で巣が見える角度が狭く、アングルがほぼ固定されているので、どれも変わり映えしない写真となっています。
こちらの巣はいつもいろいろと良くしてくださる地元の農家の方が、6月5日に巣作りを始めたのを発見して、11日に抱卵しているのを確認しました。
サンコウチョウは雌雄交代で抱卵します。
6月27日に2羽が孵化し、28日に2羽が孵化したようです。
全部で4羽です。
孵化2日後の雛。
27日にここにいた方が巣から卵の殻を親鳥が出すのを確認していて、28日に私が親鳥が殻を出すのを確認したので2日にかけて孵化したと分かりました。
孵化して2~3日は、抱雛(ほうすう)という行動をします。
羽根が生えそろっていない雛は体温調整がままならないし、動きも鈍いので雌雄どちらかが雛に覆いかぶさって守ります。
抱卵中よりも羽根を広げて覆いかぶさります。
この時期の子育ては雨が多いので、抱雛時間が長くなります。
7日もすると眼が完全に開いて、羽根も生えはじめます。
サンコウチョウは孵化後2週間以内に巣立つので、巣立ちまで3週間掛かるカワセミに比べ大分未熟な状態で巣立ちます。
雌雄同時に巣に来ることはあまりないで、これは嬉しかったです。
サンコウチョウは巣内を清潔に保つために、雛の総排泄腔から直接糞を受け取ります。
小さい糞は自分で食べ、この写真ぐらいの大きさの物は近くの小川に流します。
天然の水洗トイレです。笑
動画でも撮れました。
7月6日に4羽いた雛が、7日の朝5時頃に撮影場所に行ったら2羽になってました。
前日の夕方か、日の出直後に巣立ったようです。
2羽は残っているので捕食されたわけではないようです。
2羽が巣立ったとなるともう2羽の巣立ちに立ち会える可能性が高いです。
これは昂まります。
この日、今まで見みられなかった親鳥の行動がありました。
巣の近くで、長い時間地鳴きをしているのです。それも普段の地鳴きとは少し違う感じです。
時折囀りも混ざっています。
初めは巣立ちを促す行動かと思いましたが、当の雛たちは何の反応も示しません。笑
なので、既に巣立っている雛たちへの合図でしょうか?
サンコウチョウは巣立つまで餌を与えるようです。
カワセミは数日前から給餌の量を極端に減らし、餌を咥えたまますぐに巣には入らずに巣立ちを促します。
アオゲラも餌を持ったまま巣穴の外で囀り、巣立ちを促します。
観察していると、サンコウチョウは雛の自主性に任せているようで、後にこれが私にとって悲劇となります。笑
14時過ぎに1羽が巣立ちました。
予想では巣の縁辺りに乗り、その後地上に向けて飛び立つと思っていたのですが、兄弟を踏み台にして、なんの前触れも無しに巣立ったので、写真も動画も撮れませんでした。
16時になり、5時から撮影しているので、バッテリーもメモリーカードも切れそうなので、巣立ちそうにないし、そろそろ引きあげようとすると、1羽残った雛が、何と巣の縁に立ちました。
しかし、そこからが行けないようでした。
それでも親鳥は、給餌をし、巣内のゴミを拾い上げます。
相変わらずたまに地鳴きはしていますが、雛は無反応ですし、それ以外の巣立ちを促すような行動はありません。
あくまでも雛任せのようです。
あまり暗くなってからの巣立ちはリスクが高まります。
マムシ、ヤマカガシなどのヘビはいるし、タヌキ、イタチなどは夜行性ですから。
メモリーカードは動画の画質を落とし、撮った動画を削除しながら対応できますが、バッテリーは、大体残り1メモリで交換しているのですが、それも使って3個中の3個目も残りわずかです。
それに、久々の10時間以上の観察に私も疲れが・・・
そんな時・・・・・
雛が落ちそうになり、慌ててオスも駆けつけます。
基本、動画を撮っている時は喋らないようにしているのですが、この時は思わず声が出てしまいました。笑
結局18時過ぎまで観察しましたが、巣立たず、バッテリーが切れたので引き上げました。
この雛は翌日、無事に巣立ったそうです。
何はともあれ全羽無事に巣立って、ホッとしています。
去年見付けた巣も、今年見付けた巣も巣立ちに立ち会えなかったので感動しました。
この場所の付近のサンコウチョウの繁殖成功率は3割ほどで、これは平均値のようです。
ただ、失敗したペアが再チャレンジすることもあるようなので、来週から再捜索をしようと思います。
そういえば、撮影場所にいたカタツムリに違和感を感じていて、帰って写真を見ていて気付きました。
左巻きだったのです。
居なくはないが数が少ないみたいです。
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