ミソサザイの繁殖はどんな感じかと2日間山に入りました。
7時に登山開始して30分程で一つ目の巣に着き、観察しようと木の陰に身を潜めていると何か視線を感じます。
朝とは言え大分新緑も増えてきていて、この辺は9時ごろまでは薄暗いので、「何かやだなぁ~怖いなぁ~怖いなぁ~」と稲川淳二さん風に恐る恐る振り返ると・・・・・
つぶらな瞳をした二ホンジカのメスでした。沢の対岸で食事中のようです。
ここは登山道を挟んで沢が流れているのですが、対岸といっても10メートルちょっとです。
以前途中の御神木の所でも遭遇しましたが、あの時よりも場所が広いので観察しやすいです。
地べたに座り込み動かずにいると、15分程で「この類人猿は害はなさそう。」と思ったのか食事に戻りました。
彼女と良い関係が築けたようです。
食べているのはヤブランでしょうか?
この映像で暗いのが分かります。
最後の方でこちらを見た後すぐに画面右を向くのは私の後ろを登山者が通ったからです。
この時は既に彼女をたらしこんでいたので私には気を許しています。笑
登山道でこんな風になっているヤブランはシカが食べたあとだったんですね。
キレイにスパッと切れているので登山道を歩きやすくするために手入れしてるのかと思ってました。
すっかり可愛いお嬢さんに気を取られてしまいましたが、ここの巣にメスが出入りしているのを確認して更に登ります。
私が知っている一番標高が高いゴルジュにある巣へもメスが出入りしているのを確認して、そこから少し下った場所のオスが巣作り中の場所へ移動します。
ミソサザイはまずオスが巣の外側を作り、気に入ったオスがいたら、そのオスの巣をメスが仕上げます。オスは1シーズンに多い時は3~4つの巣を作ります。同時進行で2カ所作ってるのを見たこともありますが、だいたいはメスが入ったら次を作るという流れのようです。
つまりメスが巣に入っていると言ことはカップルが成立していると言ことです。
因みに現在確認できている巣は、
1・標高が一番低い場所のメスが出入りしているこちら。シカがいた所です。
標高400メートルほどです。
2・昨日発見したこちら。
この巣は結構大きくて、かなり目立ちます。こちらもメスが出入りしています。
3・やはり昨日発見したこちら。
まだ骨組みの枯れ枝が剥き出しなのでまだまだ製作途中です。
ここまでの巣は同じオスが作ったのではないかという気がしますが、この巣の側に沢の支流があり、その奥からミソサザイの囀りが聞こえるので確信はありません。
その支流は行政によって立入禁止措置がなされているので入れません。
4・オスが製作中のこちら。
ここが一番登山道から近く、隠れる場所もあって観察しやすそうです。
以前の投稿でオスが製作中にメスがやってきた巣です。
未だにオスが巣材を運んでいるということは、あの時のメスは内覧だけして気入らなかったようですね。笑
5・私が知っている一番標高が高い所にある巣です。
550メートルぐらいです。
こちらもメスが出入りしているのですが、ゴルジュという岩場の狭い登山道にあるので観察は難しいものがあります。
これは少し下の登山道から外れた場所から撮ったものですが、裸眼だと真っ暗で巣を確認するのは難しいです。
しかしこれだけ巣の場所が分かっていれば何処かで雛を見れそうです。
一昨日、3番目の巣に張り付いてオスが作成するのを観察しました。
3時間ぐらいいたでしょうか。
張り込みです。笑
昭和生まれにとって張り込みに欠かせないのがアンパンと牛乳ですが、私は牛乳飲むとお腹が緩くなるのでアンパンのみです。笑
暫く容疑者の動きを注視していると、目の前の木に何かがとまりました。
この辺は沢が狭いので10メートル弱でしょうか。
なんとオオルリのオスです。
4月から結構この山に来ていますがこの辺りでは全く囀りを聞いたことがなかったのでビックリしました。
暗い場所にとまっているので明かるい場所に出てこないかぁと思っていると・・・
えぇ~~~!!
心の声が聞こえたのか、出てきてくれました。笑
なんとまぁ美しい。この距離で見たのは初めてで、しかもこんないい場所に。
これはミソサザイもよくとまる倒木で、下の方の白っぽいのはミソサザイの糞です。
これだけで十分なのに・・・
水浴びまで。笑
この辺りに日が入る前だったので暗いですが、水に入った瞬間叫びそうになり、身体が震えました。
オオコノハズクとの遭遇で数年ぶりに体が震えたばかりなのに・・・・・笑
オオルリは渓流沿いの崖などの割れ目などに巣を作るらしいので次回探してみようと思います。
そういえば、ミソサザイのことを書いているのにここまで主役が登場しないというね。
いや~ミソッチ可愛いですね。
今の囀りイケてたかなぁ?と悩んでる?
草陰に身を潜めて撮影中に、
オッサン、そこにいるのは分かってんぞ~!笑
毎回いいとこで囀ってくれてありがとね。
山に入れば毎回何かが起こるわけではありませんが、
今はヒメレンゲがとても綺麗だったり、
オトシブミとい昆虫の揺籃(ようらん)を登山道でたくさん見掛けるようになり、まぁこの中には昆虫の卵があり、幼虫になり甲虫になるわけですが、これを作る昆虫をオトシブミ(落とし文)と名付けた専門家(たぶんオッサン)はどれだけセンチメタリストなんだよと思ったり、(とても小さく可憐な花を、形が似ているからとイヌノフグリと名付けた植物研究者とは対極では?笑)
これナメタケかなぁ・・・いや野生のナメタケなんてこんなとこにある?・・・でもナメタケっぽいなぁ・・・ちょっと食べてみようかなぁ・・・いや毒あったらやばいよなぁ・・・などと思うのも楽しい。
いや、食べてませんよ。撮っただけです。笑
何かしら楽しいことがありますね。
そういえば早朝シカのメスに出会った日の帰り道、登山道を下っていくと視線を感じました。
「何かやだなぁ~怖いなぁ~怖いなぁ~」と思っていると・・・・・
二ホンジカのメスです。笑
倒木の陰で休んでいました。
朝のすぐ近くなので同じ個体でしょう。朝私がたらしこんだ彼女です。
いやそこ登山者から丸見えでしょ。そこじゃ気が休まらないでしょ。笑
と思って見ていると誰も気づきませんでした。
そうなんだね。流石です。わかってるんだねきみは。
せっかく休んでいるのでスマホで1枚撮って帰路に着きました。
あぁ、また早く行きたい。
0コメント