毎年恒例のタカの渡り観察

今年は、「暑さ寒さも彼岸まで」の通り、彼岸を過ぎた頃から過ごしやすくなりました。

気温は上がっても湿度が下がったので身体が楽です。

25日に長野県の白樺峠に行ってきました。

主にサシバ、ハチクマというタカが渡るのを見るためです。

今年は偶然にサシバとハチクマが夏を過ごす場所を見付けて(今年は繁殖はしなかったようです。)、ひと月ほど観察出来ていたので、行こうか迷いましたが行ってきました。

2017年から毎年行っていますので7年目、年に2回行ってる年もあるので回数だと10数回でしょうか。今年は前日の24日にサシバだけで4000羽以上渡った様で、数だけで見ると去年の渡り総数と同じ数が渡ったようでした。

他のタカ類も含めた総数が4800ちょいだったようで、それは白樺峠での観測史上1位の数ではないでしょうか。

多くのタカ類が渡る目安が、雨が止んだ日の翌々日なのですが、最初の予報では23日まで雨で24日から晴れでした。

それに24日は日曜日なので行きたくありませんでした。

理由は二つあって一つは人が多いこと、もう一つは毎年泊まってるホテルのお気に入りの食事処が休みだからです笑


タカが越冬地に向かうルートは主に種類あるようで、北海道と東北日本海側で夏を過ごしたグループは新潟、長野、滋賀を通り瀬戸内海、五島列島を抜けて大陸に渡りインドなどで越冬します。

ハチクマが多いようです。

東北太平洋側で夏を過ごしたグループは、東京、神奈川を通過し、愛知県伊良湖岬、紀伊半島から瀬戸内海、九州をかすめ南西諸島を越えてフィリピン、インドネシアで越冬します。

こちらはサシバが多いようです。

恐らくですが、北側のルートのサシバは瀬戸内海辺りで南側のルートに合流するのではないでしょうか?

同様に南側ルートのハチクマも。

五島列島がハチクマの日本の最終休息地、南西諸島の島々がサシバの休息地なので。

赤い丸が白樺峠ですので北側のルートの線上になります。

夏に私が観察していたサシバとハチクマは、地理的に南側のルートで渡ったはずです。


これは白樺峠付近の衛星写真です。

赤矢印方面が松本市内で、私は長野道を松本で下りて、グレーの線の国道158号線と上高地乗鞍スーパー林道を使い白樺峠に行きます。

左下の白樺峠の所付近が駐車場で、タカ見広場まで15分ぐらい山を登ります。


ここは上昇気流が発生しやすい場所らしく、タカ以外にもツバメ類(ツバメ、イワツバメ、ハリオアマツバメなど)や、渡りをするチョウのアサギマダラなども通ります。

タカ達は、前日に新潟辺りで休んでいた集団が、早朝に新潟を出発し、昼頃松本市内に着き、白丸の辺りで上昇気流に乗り、真っすぐタカ見広場を越えて行きます。

上手く上昇気流に乗れなかった時や発生していない時は、水色矢印や紫矢印のルートで山を迂回します。


新潟で1泊するようにここで1泊している個体もいて、数年の観察で、オレンジ丸の辺りでサシバが、黄色丸の辺りでハチクマが1泊しているようです。

撮影場所からの写真です。

例年ですと前方の山々の全体が見渡せるように、タカ見広場の上の中央付近に陣取るのですが、今回は初めからやって来る数は少ないだろうと思っていたので、1泊組に絞って撮影しようと思い、見通しを犠牲にして山バックに飛ぶ姿狙いです。

赤丸が松本市内で黄色丸辺りでサシバが1泊しています。

年によってはグレーの辺りの針葉樹が高くなって見えないのですが、今年はギリギリ大丈夫でした。

今年伐採しないなら来年は厳しいかも。

6時半ちょい前に山で1泊していた数羽が梢の上に出てきました。

と思ったら・・・・・

早起きのグループが出発です。

サシバです。

明らかに動画を撮りなれていない人が撮ったという動画ですね笑

今思えばもう少し長く撮ればよかったと思いますが、どうしても写真で撮りたくなるんです。

期待通りの山バックのタカ柱。

サシバです。

今までさんざん空抜け(空バック)のタカ柱は見たし撮ったので。

サシバです。

今回山バックの写真を撮りたかったのは、夏に新調したカメラのオートフォーカス性能も試したかったからです。

被写体の後ろに山などがある時のピントが合うまでのスピードや、そういう時にピントが持って行かれないかなどです。

早朝の弱い光でもそれなりに被写体を捉え続けてくれています。

シャッタースピードが上がらず動いている羽根はブレているのがいい感じです。

腕ではありません!もちろん偶然です笑

サシバです。

こちらも羽根がブレてスピード感があり気に入っています。

サシバです。

自画自賛が気持ち悪くてすいません笑

今回の一番お気に入り。

サシバです。

近距離で山バックの旋回中の背打ち(背中側を見せて飛んでいること)です。

タカ類に限らず飛んでいる鳥を上から見ることは殆どないので、それが見れると私は喜びます笑

これも背打ちです。

サシバです。

今回、背打ちともう一つ狙っていたのが・・・・・

飛んでいる時に進行方向見ていない写真です笑

サシバです。

特に白樺峠では、山頂付近に人が集まっているので、気になるのではないでしょうか。

サシバです。

このサシバとは完全に目が合いました笑



昼頃に少数の他所から来たグループが到着しました。

上がハチクマ、下はノスリです。

山の奥の町並みは松本市です。

ノスリは西日本だと冬鳥のようですが、私の住む地域では留鳥です。

北海道、東北の個体が来ているかもしれませんが、繁殖もしていますし1年中見れます。

ハチクマも既に去年と同等の数は渡ってしまっています。

ハチクマの進行方向を見てないシリーズです。

遠いから分かり難いですが、明らかにこっち見てます。

1日中雲は出ていましたが、青空ものぞいていたので、そこをめがけてシャッターを切っています。

今回一番近くに来てくれたハチクマ。

少ない中に暗色型がいたのはラッキーでした。

一つ前の個体は標準型。

サシバやハチクマの色は、標準型、白色型、暗色型がいて、暗色型は数が少ないのです。




そう言えば、来た時もカウントしとけば何羽ぐらい来てるか分かるだろという意見があると思いますが(私も思ってました笑)、来る時はまとまって来ず、ルートも群れやグループでバラバラでカウントするのがとても困難なようです。

サシバの白樺峠の過去のデータを見ると、5,6千羽の年はいずれも1日に集中して多く渡っているようです。去年はばらけていましたが。

5,6千羽だと少ない、8,9千羽だと普通な感じで、1万羽超えると多いという感じでしょうか。

過去の例だと2年以上続けて少ないことは無いようなので、来年は1万越えに期待したいです。

鳥や動物、昆虫が増えるということは人が生きて行く為にも良い環境だと言えると思います。

まぁ渡り鳥に関しては越冬地や繁殖地(他国)の環境も影響受けますから・・・



そして来年は今年偶然見つけたサシバとハチクマの生息地でもっと長く観察出来たらと思っています。(今年見付けたのは6月)

4月頃から通って、繁殖もしてくれたらと思います。



zio's 探鳥とモノ作り

レザークラフト中心に、ハンドメイドが好きで、鳥メインで他に花、昆虫の写真を撮るのが好きです

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