サシバという猛禽類は、日本(中部以北)で繁殖し9月頃に近い所では奄美群島や南西諸島、遠くは東南アジアやニューギニアで越冬します。
私は2017年から毎年長野にタカ類の秋の渡りを見に行っていて、長らくサシバは飛び物か何百メートル離れたとまり物でしか撮影出来ないと思っていました。
まさかサシバの繁殖地での日常を観察する日が来るとは思ってもみなかったです。
前回、狩場がある程度特定できたので、朝からその付近で待機です。
ねぐらからは直線距離で300メートル以上離れていますが、双眼鏡で動き出すのを観察します。
8時少し前に、お気に入りの木の梢に停まったあとこちらに飛んできました。
電柱のてっぺんに。
私は隣の電柱(40メートル)の陰で撮影しています。
人など見ない場所で生活している鳥だとこの距離には来ないでしょうが、普通に人の生活圏にいる鳥は、完全に隠れられていなくても、何かの陰にいるだけで距離を詰めてくれます。
例えば、格子状やシースルー状態で見えていてもです。
私の鳥見の基本は、隠れる、しゃがむ、動きを遅くするです。
たまにこちらを見てくることがありありますが、狩りをし、フンをし、羽繕いをしているので私がここに居ることは許してもらえているようです。
そもそも農作業や散歩で農道には普通に人がいますから。
大切なのは、自分が原因で鳥を飛ばすことがあってはならないということだと思っています。
直ぐに狩りを始めました。
前回は近くのサクラの木から獲物の動きを見ていましたが、この日は電線や電柱から狙っていました。
すました顔してますが、脚ではカエルをガッチリ押さえています笑
サシバの後ろをハクセキレイが横切っています。
分かり難いですがカエルを飲み込むところです。
食べたら電線に戻ります。
その場で食べる時と、電線に戻って食べる時があります。
カエルのサイズではなさそうで、違いが分かりません。
いやぁ~ホントに美しくカッコいいです。
だいたい私がいる所から40~50メートルの所で狩りをし、獲物を食べています。
獲ってすぐに食べていてカラスが近づいてくるとこのポーズです。
隠れているようですが、私には羽根をやや広げていつでも飛び立てる様な感じに見えます。
この辺は100メートル以下の低山に囲まれて、里山といった趣なのですが、カラスはハシボソガラスです。
そういった場所はハシブトガラスの生息地であることが多いのですが、ここではハシボソガラスしか見かけません。
私は電柱にの陰にいてサシバが電線で食事したり羽繕いをする時、隣の電柱のむこうに停まられると見えないことが多い訳で、せいぜいこんな感じで撮るのがやっとです。
ですが水田の周りに他に隠れる所はありませんので仕方ないです。
カエルを持って電線に向かっています。
脚の形が明らかにカエルですね。
電線に停まってから飲み込むまでは動画で撮りました。
この時は電柱のこちら側に停まりましたが、私と隣の電柱の間には道にまで枝が張り出してる木があるのです笑
まぁこの木も私を隠してくれているのですが。
この日の観察で、行動パターンが前回と似ているなと感じました。
・8時前後にねぐらから出てお気に入りの梢に行く。
・狩場に来て小一時間狩りをする。
・旋回しながらかなり高い所まで上がり飛び去る。(別の狩場へ行っているのか?)
・小一時間後に戻り、11時頃まで狩りをしたり羽繕いをしたり。
・昼近くにねぐら付近に戻り動かなくなる。
わたしはだいたいここで引き上げてしまうのでその後の行動は分かりませんが、午後は午後で決まったルーティンがあるはずです。
そしてずっと思っていた、朝が遅い理由もわかった気がします。
この日は7時前から田んぼ近くでサシバを待っていたのですが、日が昇り少し気温が上がって来る8時近くになるとカエルが鳴きだすんですね。
この日はそれに合わせるようにねぐらから出てきました。
もしかしたら、カエルの鳴き声が聞こえてきたら「おっ、飯が騒ぎ出したな。」と出てくるのではないでしょうか笑
去年はサシバを確認したのが6月で、去年は一度も水田での狩りは見ませんでした。
カエルを好んで食べていることを知ったから思いついたのですが、水田に水が入るとカエルは水にいることが多くなるので、サシバはカエルを狩れなくなるのではないか?
だから既に水が入っていた6月にここで狩りをしなかったのではないかと思います。
もう一羽のメスのサシバは、この日はあまりオスの縄張り付近には来ず、未だペアにはなっていないようです。
こんな風に地べたにいるサシバを見ることが出来る日が来るなんて思いませんでした。
飛んでいるのではなく、何百メートル先の木に停まっているのを見れただけでも歓喜していたのに笑
これからもサシバを刺激しないように観察したいと思います。
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