6月の初旬に山を歩き廻り、囀りを頼りにサンコウチョウの巣を発見しました。
しかし、結論から言うと悲しいことに、カラスかトビ、もしくは小型の猛禽に襲われ、雛が育つことはなかったです。
この写真の民家があるあたりから、鉄塔の辺りまで半日と3時間ぐらい歩いて、写真の民家の左上、鉄塔の右下ぐらいの所で見つけました。
この数日前に写真のもっと右側の山も5時間ぐらい歩きましたが見つからず、この日やっと見つけることが出来ました。
この地域では毎年サンコウチョウが小川沿いの遊歩道から近い所で営巣していて、今年も地元の方はじめ楽しみにしていたのですが、今年は上流のダム湖で水を抜き、耐震補強工事が行われていて、小川が濁っていたからか小川沿いの遊歩道に巣を作ることはありませんでした。
赤丸に巣があり、地面から10メートルぐらいです。
発見して、とりあえず信頼できる2人のCMさんには知らせましたが、誰にも言わず観察をしました。
このような状態で観察していたので、メスが5メートル以内に来たこともあります。
巣を見つける前に毎年のサンコウチョウポイントで知り合って、よくしてくれた地元の方にも黙っていたのは心苦しかったのですが、道の無い斜面を登るとはいえ道路から10分程の所なので黙っていました。
抱卵中のオスです。サンコウチョウは雌雄交代で抱卵します。
観察しているとこの番いは、メスの方が抱卵時間が長いようでした。
見付けた時は、遠くで囀りがしたのでカモフラシートを被ってジッとしていたらだんだん近づいてきたので、近くに巣があるのか?と思っていて、ゆっくりシートを外して周りを探したら自分がいる真上にありました。
この巣は垂れ下がった蔓を利用して作っているので、親たちが飛び付いたり、飛び出したりするとユラユラ揺れます。最初のうちは落ちるんじゃないかとヒヤヒヤしました。
撮影・観察は慎重と心がけていたのですが、撮影はとても困難でした。
なるべくサンコウチョウのストレスにならぬように低木の中に潜り込んでいるし、巣の上には蔓性の植物があり、葉が被ります。
観察していると、ここのさらに山の上の方で囀りが聞こえ、違うオスの個体を見掛けることがあったので、そちらでも営巣してる番がいたかもしれません。
サンコウチョウのオスは個体の識別が意外と楽です。
2本の長い尾羽が1本しかなったり、左右の長さが違ったり、傷ついていたり。
この頃から森には入って来ませんが、カラスが近くに来てはいるし、近くにはトビの巣があるようでした。
巣を見つけて1週間、3回目の観察のころメスが巣の縁にとまり、中の卵を突くような、転がすような仕草をするようになりました。
そして2週間がたったころ・・・・・
オスが何か虫を持ったまま巣に来るようになりました。孵ったようです。
巣の縁にとまり、巣の中に嘴を突っ込み雛に与えているようなのです。
飛び去る時には糞のような物を持ち去るので間違いありません。
ただ、巣に覆いかぶさることもあるので、この時点では孵ってない卵があるようでした。
それ以降オスが巣に戻る時には大抵餌を咥えていました。
そして発見から24日目、の観察の時・・・・・
私が山に入る時間は大抵まずメスが来るのですが、この日もメスが来たので撮影を始めると、なんと雛が顔を出してくれました。
3羽いるようです。
真ん中の個体は少し大きいようなので、一番最初に孵った個体かもしれません。
この時は、自分しか知らない巣で雛が餌を食べているのをとても感動して眺めていました。
しかし、この次に行った時には半日経っても親が巣に来ることはありませんでした。
次の日も半日観察しましたが、やはり来ません。
そして、カメラを覗いていてあれだけジャマだった蔓性植物の葉が写らないことに気付いて、巣の真下に行ってみると、
巣材と、狩れていない葉がかたまっていました。
巣の場所的に、肉食の四つ足とは考えにくく、巣の手前の枝の葉を落としているので、そこから巣を襲ったのではないかと思います。
なので、鳥類か、もしかしたら日本猿かも。
この時はとてもショックで、つい最近まで結構引きずっていました。
先日アオバズクの親子とツミの親子を見てようやく回復しつつあります。
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